《佐々木先生の得意な顔が今でも眼に浮かぶ》
「大澤君、白浜のマンションに行くか?」
と事務所のボス弁佐々木先生から声がかかった。
弁護士5年目、昭和55年ころだった。
白浜駅からタクシーでマンションに直行。
予め連絡をしていたのだろうか、
マンションの玄関には白いタキシードの支配人が待っていた。
タクシーから降りたとき、支配人が深々と頭を下げた。
「佐々木先生、いつもお越しいただき本当にありがとうございます」
その時、佐々木先生は本当に誇らしそうな顔をしていた。
一緒にいた私まで本当にいい気持だった。
その後、数回、連れて行ってもらったが、
その都度、部屋が変わったので、リゾートマンションだったのだろう。
あの頃のリゾートマンションは本当に値打ちがあった。
去年、白浜に行ったが、そのマンションは今でも残っていた。
Comments