管財人として、リゾートホテル会員の問題に尽力する
リゾートホテル会社が倒産し、破産宣告(開始決定)が出ました。
当事務所の弁護士大澤は、裁判所から選任され、破産管財人として同社の財産整理をしました。
破産した場合、リゾートホテル会員の方は債権者になります。
管財人大澤は会員の話を聞き、ささやかながら問題の解決に尽力をしたことがあります。
どんな訴えがあり、どういう解決をしたのでしょうか。
《こんな会社でした》
その会社は箱根の強羅と兵庫の有馬温泉にリゾートホテルを持っていました。
ところが経営不振で、平成21年、裁判所から破産宣告(開始決定)が出ました。
総債務額は82億円でした。
様々な苦情で声の中で一番多かったのは・・
「いつまでたっても必要な補修がされない」という苦情が多かったです。
管財人大澤も有馬のホテルでカラオケルームの壁紙は破れているのを見ています。
従業員に聞いたところ、「改修するお金がない」のだという回答でした。
「一般の人の方が宿泊代が安いんです」と訴えた会員の方もいました。
しかし、一番多かったのは、《ホテルをもう使用しないのに、会費を支払いしなければならないのか》という質問でした。
《会員を辞めることはできず、業者も扱わない》
リゾートホテルの会員であれば、会費を支払う義務があります。
会員を辞めたらいいのですが、その方法は契約書や会員規約のどこにも書かれていません。
会員権を扱う業者に相談しても、売るために十数万円の手数料がかかるし、いつ売れるか見込みが立たないと言って、断られたようです。
会員自らが買受希望者をみつけるというのも、現実問題としては困難でしょう。
《破産管財人としての苦肉の策は》
破産管財人は財産を少しでも多く回収し、債権者に配分する仕事を行いますです。
リゾートホテルとしては、会員が多ければそれだけ会費収入が多く、経営が安定します。
そのため、会員を辞める方法を教えるわけにもいきません。
結局、ホテルの営業の譲受企業に、会員を辞めたいと申し出があれば、買い取ってもらう(数万円程度)ことで問題を解決しました。
買受企業の営業努力で新会員を募集させることにしたわけです。
どれだけの会員が申し出をしたかは不明ですが、譲渡された方はさぞかしホットされたことでしょう。
Comments